ハードコンタクトが白目に吸着してしまった場合のなおし方
ハードコンタクトが白目にずれる場合、2通りのズレ方があります。一つは無理な力が加わらず、単純に黒目から白目の位置にズレてしまった場合です。一般的に「ハードコンタクトがズレた」というのはこの状態の事を言っています。従って取扱説明書等に載っているなおし方はこの状態のなおし方が載っているのです。
一方でもう一つのズレ方とは力が加わった状態でズレた場合です。よくあるパターンは、ハードコンタクトをはずす時に失敗した場合などによく発生します。ハードコンタクトをはずす時に目じりを斜め上方に引っ張り瞬きをしてはずします。
原理は、目じりを斜め上方に強く引っ張ることにより目のフチ(上下のまつ毛の生え際のこりこりした部分)が引っ張られ黒目に押さえつけられるような状態になります。そのためレンズは上にも下にも動けないような状態になります。そこでまばたきをするため、ハードコンタクトは上下のフチに挟まれて外に飛び出すという理屈です。
通常上手に引っ張られていれば、ハードコンタクトは上にも下にも行くことができず、瞬きによって外にはじき出されますが、上下のフチが均等に引っ張られていないと瞬きをした時に、引っ張りの弱い方にレンズが動いてしまいます。その時には少なからず引っ張られた状態:つまり上から押さえつけられた状態でレンズが動くわけです。ハードコンタクトは黒目のカーブに合わせてレンズが選択されていますが、黒目のカーブと白目のカーブは大きく異なります。カーブの異なる場所に圧迫された状態でずれると、白目に「吸着:吸いついたような状態」し、容易には動かなくなってしまいます。このような状態になると、一般的に紹介されているなおし方ではレンズはなおせません。
ハードコンタクトが白目に吸着すると、吸いついている状態になるため、充血が起こります。ただそうなってしまった場合もやはり焦らないことが肝心です。白目は「強膜」と言われ、非常に強靭な硬い膜です。すぐどうなるわけではありませんのでまず落ち着いて対処します。ハードコンタクトが白目から動かないのはレンズの中に空気が入っていない状態になっているからです。従って空気を入れてあげれば簡単にレンズが動くようになります。空気を入れるためには指先で目のフチのこりこりした部分を押さえ、レンズの周辺部までもっていき、レンズのフチの外側をやや強めにフチを利用して押してあげてください。そうすることにより隙間を作り、ハードコンタクト井の下に空気を入れてあげます。そのようにしてレンズを黒目に戻します。
ただ黒目に戻ったら一旦レンズを外し目を休めることをお薦め致します。結構充血する場合もありますが、通常はしばらくしたら充血は引いてくると思いますが、気になるようでしたら、また痛みがあるようでしたら眼科を受診することをお薦めいたします。