ソフトコンタクトよりハードコンタクトの方が安全性は高いのですか?
現在、主流の酸素透過性ハードコンタクトは、素材自身がプラスチックのような素材でできており、その分子と分子の隙間から角膜に酸素が供給されています。またレンズ径が角膜よりも小さいため常に角膜の上を瞬きのたびにレンズが動き回っています。その動き回ることで新鮮な涙が常に入れ替わり、角膜に「酸素と栄養分」を供給してくれます。
それに対し、ソフトコンタクトはレンズが含水性の素材でできているため、レンズ自体が涙を吸収し、そこから角膜は酸素や栄養分をもらいます。またレンズ径が大きく角膜をすっぽり覆っており、ハードコンタクトのように動かないようにデザインされています。レンズの動きが少ないために装用感はハードコンタクトより圧倒的に優れていますが、角膜に対する酸素や栄養分の供給量と言う点ではやはりハードコンタクトの方が優れていることになります。
また、ハードコンタクトは目にゴミなどの異物が入ったときなどとても敏感に感知しますので、眼に傷がついたり、病気にかかったりしたときなど、早期発見ができ、結果として「眼の安全を守る」役目を果たしています。
これに対して、ソフトコンタクトの場合は素材自体が柔らかく、装用感が優しいため、眼に傷がついたり、病気にかかったりしたときでも、かえってそれがわかりにくく、気づいたときには重症化しているというケースも見受けられ、その点がある意味、最大の欠点として挙げられています。また、ソフトレンズは素材自体に水分を多く含んでいるので、ケアを怠っているとレンズに微生物が繁殖し、それが眼障害を引き起こす要因にもなっています。
そもそも人間の角膜は、「角膜上に何ものっていない状態」が本来の姿です。本来の姿とは酸素や栄養が十分角膜に行き渡っている状態のことを言います。コンタクトレンズを装用することにより発生する一番の問題点は「酸素や栄養が角膜に行き渡らない」と言う点にあるのです。だからこそ1日の装用時間に制限があるわけです。「装用感がいい」と言うことと「目に負担が少ない」と言うことは別の問題と言えます。「目に負担の少ないレンズ」とはより自然に近い状態を維持できると言うことで、より自然に近い状態とは「酸素や栄養が十分角膜に行き渡っている状態」と言えます。
目の健康と言う点から言うとハードコンタクトの方がソフトコンタクトよりも分があると言えそうですね。