ハードコンタクトはどのような時にズレるのですか?
ハードコンタクトの短所のひとつにズレたりはずれたりすることがあるという点が挙げられます。しかし勘違いしていただくと困るのはズレやすい、はずれやすいということではありません。もしそうだとしたら400万人強もハードコンタクトユーザーがいるはずもありません。ソフトコンタクトと比較するとそのような傾向がややあるということなのです。
どのような時にハードコンタクトはズレたりはずれたりするのでしょうか?
①乾燥
風を長時間受け続けていたり、冷暖房の環境下に長時間おかれると目の表面が乾燥してきます。ハードコンタクトは黒目の上にある涙と涙にはさまれ、その表面張力で黒目にくっついています。つまりその表面張力が弱まれば自然とはずれやすくなるというわけです。ソフトコンタクトにおいても同様の状況が続けばはずれることがありますから過信は禁物です。
②物理的な接触や衝撃
不用意に目をこすったり、何かが目にぶつかったりするとレンズがはずれることがあります。直接目に物がぶつかったりすると目の中で破損なんていうこともあり得ます。そのため激しいスポーツなどはハードコンタクトでは禁忌となっているわけです。
③視線の動かし方
現在、市場に出ているハードコンタクトのBCのほとんどは球面の形状をしています。丸いところに丸いものをのせるのであればまだいいのですが、あいにく人間の黒目の形状はそもそも生理的に球面ではありません。多くの方が垂直のカーブの方の曲がりがきつく、水平のカーブの曲がりが緩やかなのです。つまりラグビーボールを横に置いたような形状をしているのです。もっとわかりやすく言えば人間の黒目は球面ではなく歪んでいるということです。乱視が強いという方はその歪みがさらに大きいのです。歪んでいるところに丸いレンズをのせるのですから少なからず隙間ができます。その隙間が大きければ大きいほどズレやすい傾向が出てきます。それは特に極端な上方視(例えば空や建物の上の方を見上げる時)や脇目(例えば車をバックで車庫入れする時)をした状態で瞬きをすると起こりやすいのです。従って上方視や脇目をするときは黒目だけを動かすのではなく顔ごとある程度動かし、視線の動きが極端にならないように気をつける必要があります。
④涙が多く出ている時
①でも触れましたが、ハードコンタクトは黒目の上にある涙と涙にはさまれ、その表面張力で黒目にくっついています。涙が必要以上にでるとレンズが浮き上がった状態になり、レンズがズレやすくなります。映画を見て号泣したりした時には要注意です。そっとハンカチなどでまぶたの上から押さえるようにして涙を吸い取ってあげてください。